映画『怒り』全国一般試写会開催!!

2016.7.11

映画『怒り』の完成報告会見が7月11日にザ・リッツ・カールトン東京にて行われました。この日は、主演の渡辺謙さんをはじめ、森山未來さん、綾野剛さん、松山ケンイチさん、広瀬すずさん、宮﨑あおいさん、妻夫木聡さんら、総勢15名の豪華キャストが勢ぞろいしました。
登壇したキャスト陣からは、厳しいと評判の李監督について、作品や共演者への想いについて語られました。会場を埋め尽くすほどの多くの報道陣が集結し作品への注目度の高さを感じさせた完成報告会見の様子をレポートいたします。

渡辺謙さん
(槙洋平役)
日本を代表する豪華キャストが集結したという作品が今年はたくさんあります。代表するかは別として、本作も素晴らしい俳優たちが魂をぶつけあうような映画になったと思います。それをリードしていた李相日という本当に素晴らしい監督に敬意と尊敬の念を送るばかりです。難しい作品だと思いますが皆さんのお力を借りて、たくさんの方々に観てもらえるように、どうか応援をしてもらえればと思います。
森山未來さん
(田中信吾役)
とにかくこの映画でいい監督に出会えて、心をかき混ぜてもらって、本当にいい出会いになったと思います。ありがとうございます。
松山ケンイチさん
(田代哲也役)
本作は東京編、沖縄編、千葉編と、それぞれ分かれていてそれが1本の作品になるような作品です。撮影はとっても短い期間ではありましたが、充実した時間だったと思います。
綾野剛さん
(大西直人役)
この作品は自分にとっても血や肉となった作品だと思います。そして妻夫木聡さんとは初共演でした。妻夫木さんに引っ張ってもらい非常にいい関係になりました。
広瀬すずさん
(小宮山泉役)
沖縄に行って、そして監督に出会えて、ものすごくいろんな感情を味わえました。すごく苦しかったんですけれど、この作品に参加したことが自分にとって財産になりました。
佐久本宝さん
(知念辰哉役)
今回初めてこの映画の不思議な現場で演技できたこと、李監督やこの素晴らしいキャストの方と共演できたことを嬉しく思っています。
ピエール瀧さん
(南條邦久役)
実は昨日、試写会でこの作品を観たばかりなんです。説明しづらい映画というか、説明するのもヤボだなと思います。映画の持っている圧力とか熱みたいなものをうまく伝えてもらえればと思います。
三浦貴大さん
(北見壮介役)
本当に力のある映画だと思います。僕は刑事としてここに並んでいる方々を違った目線で見ている役で、すごくいい経験をさせてもらったと思います。皆さんのお力をお借りしてこの映画をいろんな人に届けていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
高畑充希さん
(薫役)
私も昨日、瀧さんと試写会で(作品を)観させてもらいました。観終った後に、現実の人たちとどういう風に関わっていいかわからない時間がすごく長くて、思わず妻夫木さんに電話をしてしまいました(笑)。そして、こんな奇跡みたいな作品に少しでも関わらせてもらったことに胸がいっぱいになりました。
原日出子さん
(藤田貴子役)
私は李監督と二度目の再会ということで、今回もかなり緊張しました。本当に素晴らしい作品です。映画3本分をギュッと1本にしてある作品だと思います。すごく感動しました。皆さんにもぜひ感動してもらいたいと思います。
宮﨑あおいさん
(槙愛子役)
私は、撮影自体は2週間くらいだったのですが、今までの人生の中で一番長くて濃厚な2週間でした。この作品に関われたこと、幸せに思います。
妻夫木聡さん
(藤田優馬役)
「悪人」の時もそうだったんですけれど、今回、「怒り」の原作に触れてすごく原作に心を鷲づかみされました。ぜひ映画に出演できたらいいなと思っていて、李監督とご飯を食べた時に、出演したいことを伝えました。「何がやりたいの?」って李さんに言ってもらって「優馬がやりたい」って言ったんです。それからなんとなく時が過ぎていって、僕が出演するのかどうか「きちんとオファーをもらっていないな」と思う日々があったです。正式にオファーをもらった時は「悪人」の時のような奇跡が生まれるんだなという直感がありました。観終ってその直感は正しかったんだなと思っているところです。このエネルギーが詰まった作品をできるだけ多くの方に観てもらえるよう、これから宣伝がんばります。よろしくお願いします。
川村元気さん
(企画・プロデューサー)
6年前に吉田修一さんの「悪人」をお預かりして、李監督と妻夫木聡くんと映画をつくりました。過分な評価をもらいました。その分、今回は同じ監督、原作者というチームで前作を超えなくてはいけないという大きいプレッシャーを抱えてやってきました。俳優の方とスタッフの方と本気でつくった作品です。ただ、今の日本映画の市場においては難しい作品かと思います。今日ここに来てくれた皆さんに応援してもらいながら、ヒットさせたいと思っています。
吉田修一さん
(原作)
今、この場にそうそうたる皆さんと同席させてもらって光栄に思っています。原作者としては、「怒り」という作品を書き上げられたことが本当によかったと心から思っています。
李相日監督
川村くんに「悪人」を超えなきゃダメだと葉っぱをかけられました(笑)。吉田さんから出版される前に「怒り」を読ませてもらいました。不寛容だったり、人が人を信じることが難しい今の時代の中で、吉田さんは小説という形で一人で格闘されたんだなというのがヒシヒシと伝わってきました。そのバトンを僕は映画という形で受け継いで世に出していく必要があるなという気持ちを強くもちました。その上で今こうやってみると、3本映画を撮れたんじゃないかなと思うぐらいの方たちとご一緒できたこと、みんなで作った映画を世の中に出せることを本当に誇りに思います。
MC
この映画は約2カ月に渡り、東京編、沖縄編、千葉編と撮影されましたので、皆さんにそれぞれのパートごとにお話をお聞きしたいと思います。まずは東京編。妻夫木さん、綾野さんなど、皆さん、この現場で何か感じたことはありましたか?
妻夫木さん
一番、嬉しかったことは、監督が「今回は妻夫木に任せるから」と預けてくれたことですね。作品ができた後に「すごく助けられた」と言ってもらえたことは、本当に嬉しかったです。あと、李さんは作品を重ねるごとにエネルギーも当然そうなんですけれど、このままどこか飛んでいっちゃうんじゃないかっていうぐらいどんどん大きくなっているので、李監督にはできる限り映画を撮ってほしいし、その作品にできる限り出演させてほしいというのが率直な想いです。
綾野さん
監督は「違う」ということぐらいは言ってくれるんですが、具体的に何かを指示するような方ではないんです。ただ今回は、妻夫木さんが(李監督)と3回お仕事されているということで、僕にはいい環境だったんじゃないかと思います。現場では妻夫木さんが生きた優馬と直人の関係性を大事にしてくれました。李監督は非常に厳しいと事前に情報は聞いていたんですけれど、きちんと愛情を注いでくれました。
映画は台本があり虚構ですが、そこにちゃんと本当を求めてくださる、その意識に対して我々はどこまで本当を紡げるのかしっかり考えた2週間半でした。その時間はすごく幸せでしたし、妻夫木さんとの共同作業で一緒に関係性をつくっていけた、その環境をつくってくれたのは全部、李さんだと思っています。非常に感謝しています。
MC
続きまして沖縄編についてお聞きします。現場ではどんなお話をされましたか?
森山さん
オファーをもらってから川村さんや李さんと食事をしたり、沖縄でまたお会いしたり、リハーサルをしたり、とにかくありとあらゆる話をしすぎたかなと思います。試写会で観た時に、僕はこの時、何を考えてこの芝居をしていたのか、もう思い出せなかったです(笑)。それぐらいコミュニケーションを重ねてきました。すごくおもしろいのが、こんなのはどうだろうという提案をお互いに出しあいながら、それを正解とも、間違いともせずに、それがどんどん蓄積していくのみだったんですよ。なので、すべての時間、すべてのコミュニケーションが僕にとっては宝物でした。その空気の中で、自分の役柄を捉えていこうとするよりも、その空気のなかで僕が立っているだけでいいのかもしれないなっていう、そんな思いにさせてもらったのが非常に良かったです。
撮影が1年ぐらい前だから、思い出せないという感覚とは違って、「あれ? すずちゃんの役名、何だったっけ?」とか「宝の役名、何だったっけ?」と、役名が思い出せないんです。もちろん役柄やキャラクターは大事なんですけれど、それよりも李監督だったり、スタッフだったり、全てに取り巻かれたすずちゃんという人と、宝という人と僕は関わっていたのかなと感じがしました。映画って虚構の世界かもしれないですけれど、そこに浮かび上がる、その人の存在感の力強さというのが一番大事なものだと思います。そういうものを丁寧に掘り下げていかないといけないのかなと思いました。とにかく心をかき混ぜられた感じがして、それがどこか違うところにあるのかいうとそれも違う気がして、共に生きているような気がしますし、すごい経験でした。
撮影始まる前に沖縄に入って無人島で暮らしました。仕事で無人島に住めるだなんて、そんな素敵なミッションはないじゃないですか(笑)! そんな楽しいことはないです。無人島に一人では泊まれませんからね。船とか出ていないですし、普通は入れないんですよ。それも、素敵な経験でした。
広瀬さん
自分と同い年の少女の役だったんですけれど、泉という女の子が感じた感情が複雑というか、残酷すぎて、私も撮影していた時の記憶があんまりないんです。でも自分が最初に思っていた泉像と、現場に行って沖縄の空気を感じて演じているのとでは全然違いました。よくわからなくなっていました。
佐久本さん
周りから聞く話で李組は厳しいぞって脅されていました...(笑)。現場ではどうなるんだろうって思っていましたが、リハーサルから何回も何回も繰り返しやりました。でも厳しさだけではなくて、愛情があって、現場のスタッフの方々も本当に優しかったです。本当にみんなでつくっているという空気があり、自分もちゃんと辰哉という役と向き合っていこうって思える現場でした。すずちゃんや森山さんのようなすごい方々と一緒にやっていくというプレッシャーや、難しいシーンもたくさんありましたが、みんなが明るく現場を盛り上げてくれました。でも2人とも撮影に入ると切り替えるスイッチがすごかったです。今回共演して、本当に楽しかったです。
MC
李監督はいかがでしょうか? 相当厳しかったという噂はありますが。
李監督
噂ですよね (笑)? 未來くんも話していたように、その人の持っている魂の強さとか、持って生まれたものっていうのがあると思うんですよね。オーディションでたくさんの人を見て、いろんな出会いがあって、決まるというか、残るというか、引き合うんでしょうね。そういう魂のしなやかさなのかな。正直、ずいぶん叩きました。けれど叩いても叩いても、しなやかに立ち上がってくる、そういう持って生まれた魂の強さをもっている二人(広瀬さん、佐久本さん)だなと感じました。広瀬さんは、太陽みたいにエネルギーを常に放出しているし、宝は宝で、一見おだやかですけれど、覗くとどこかすごく深いところがあります。本当に沖縄の土地に愛されてきたんじゃないかなと思います。
広瀬さん
監督がご飯を食べている姿を見て、「監督も人間だ!」って思いました...(会場笑)。ごめんなさい...。でも何回もリハーサルを繰り返して、本当にどうしていいかわからなくなって、わからないこともわからなくなっている時に監督がきて、「監督、バカヤローって叫んでいいよ」って言われて…ちょっと叫んだら、「よしっ」と(笑)。できないのがわかっているから、余計に悔しくて...
。でも、これで負けだとか、できていないとか、立ち止まっている場合でもなかったんです。本当にすごい経験をさせてもらいました。
MC
続きまして、事件編。刑事の二人に聞きたいと思います。
瀧さん
皆さんも言うように、李組はすげえ組だぞって...(笑)。一応、聞いてはいたんです。すずちゃんも、「監督、バカ!」みたいなことを言っていましたけれど、僕は、現場では、そのシーンに対してもっと上があるんじゃないかとか、もっといい答えがあるんじゃないかということ追求されているなという印象です。正解というものはでないものですから、本当にそこを追求される監督さんなんだなと、僕は解釈しています。現場に行く時にどこか鎧があったり、この現場はどんな現場なのかなって身構えたりするところはあると思うんですけれど、そういう部分をとっぱらう作業をしてくださって、そこから、さらに編み上がるものは何か、ベストの形は何かっていうのを何度も何度もやるという感じでした。
そうそうたるキャストの皆さんの中に僕が入っているという奇妙な感じはあるんですけれども、南條というポジションを一緒に考えてくださった、編み上げてくださったことに非常に感謝しています。この映画は非常にシリアスな内容も多いですし、ギャグが入るということはほとんどないんですが...。なぜか、僕のところだけ2カ所ぐらいギャグがあるんです(笑)。昨日、作品を観ながら、「なんで僕だけギャグを言っているのかな」って、少し恥ずかしさもありました(笑)。一人でふざけているような感じもあるので...。そういうところが南條という僕が演じた刑事の役のうちなのかなと思います。ほとんど三浦くんと一緒にいたので、東京編、沖縄編、千葉編のキャストの方とは実は、お会いしていないんですよね。会見はどうするんだろうねという話をしていたんですけれど、一堂に会して、やっぱりこうなるかという気持ちです(笑)。貴重な体験であり、奇妙な体験であり、楽しい体験をさせてもらいました。
三浦さん
李監督の作品には何度か出演させてもらったのですが、李監督の現場はすごく緊張します。芝居に対して細かく言ったりするということは本当になくて、大きくニュアンスで伝えてくれるんですよ。それを理解しないといけないという気持ちが先走ってしまい、とにかく緊張するんです。けれど、今回はピエール瀧さんが上司の刑事の役で、瀧さんは、本当に安心感がある方でした。僕が何やっても受け止めて芝居をしてくれるんだろうなって気持ちがあったので、南條さんありきの北見という刑事だなと思っていました。現場では気持ち的にすごく瀧さんに寄りかかっていました。僕はほとんどのシーンが瀧さんと一緒なんです。一人で行動するシーンもいくつかあったのですが、その時の不安はすごかったですね(笑)。どうしようかって、ずっと思っていました。それぐらい瀧さんが信頼できる上司で助かったなと思いました。本当に役者として生きていく中で李監督の作品に出演できるというのは、ありがたいことです。役者としてまた1つ、いい経験と、また「いろいろなことを考えて成長していけるな」と思う作品に参加できて嬉しかったですね。
MC
続きまして、千葉編にいきたいと思います。撮影現場はいかがでしたか?
松山さん
李組のことは、僕も噂では聞いていたんですけれど、なんでこんなに噂が蔓延しているんですかね(笑)。宝くんだって沖縄に住んでいるんだよね? 沖縄まで届いているっていうこと?いろいろなところで話は聞くんですけど、でも、みんな嫌そうには言わないんですよね。「でも好きなんだよ」っていうのがすごく感じられるんです。それは李監督自身が愛を持って接しているからだろうし、だからこそ、みんなが監督のことを愛しているんだろうなって思います。そういうことを感じられる現場だった気がします。僕がやった千葉編というのは、一番最後です。漁港で働いている役なんですけれど、漁師の人たちがかっこよく帰ってくるんですよね。李組や作品自体を待ち受ける、職員のような感じだったんだなと思います。なんか、そういう旅をしてきた人たちを支えるっていうか、そういう役割があったパートだったなと感じます。
宮﨑さん
あまり普段、人と話をしないんですけれど、今回は監督とはものすごく話をしました。今までで一番、監督と話をしたと思います。役についてとか、台本も毎晩、毎晩、読みました。でも答えは出なくて、答えが出ないまま現場に行って、いろんなものを剥がされていくような感じでしたね。監督からの愛情ですね。すごくちゃんと見てもらっているんだなというが、すごく伝わってきました。ありがたいなと思いました。
MC
だから、皆さん、李監督の映画に出たいと思うんですかね?
宮﨑さん
そうだと思います。
渡辺さん
みんな、李監督を褒めるじゃないですか。素晴らしいですよ、素晴らしいですけれど、すずちゃんね、監督はそうやって撮影をして夜中に帰ってきて、2時、3時からステーキを食べている人だよ。人間を除去している人間かもしれない。東京、沖縄と過酷なロケをやってきて、監督はピンピンしているんですけれど、スタッフはボロボロなんですよ(笑)。夜中までだったり朝になったりとかした時にスタッフを守れるの、僕らキャストしかいないんですよ。そういう意味では、映画・作品・役に対してというのもありますが、その中でどう生き延びるかというところでも、1日1日が戦いとうより、耐え忍ぶというのがありました。最終的にはできあがると、「いいよな」ってなっちゃうのが悔しいよね(笑)。
MC
渡辺さんと宮﨑さんは、親子役を演じてどうでしたか?
渡辺さん
あおいちゃんの今までやっていた役とは少し違う役、違うステップ、違う世界に踏み込むんだって、そういう想いを最初から感じていました。先輩としても、それを見届けるのが楽しみだなと思っていたんです。あおいちゃんは、真面目で本当にストイックに役と向き合うので、現場でも一人ポツンと外れていたりするんです。楽しく和気あいあいとやろうということじゃないんですけれど、役と自分との間にいる何かが心を開く瞬間に一緒にそこにいたいなっていうのがあって、一人でいると引きずりだして、話をしなくてもいいから「ちょっとここにいなさい」って言っていました。でも、たまには話をしたり、一緒に何か飲んだり、食べたりしていました。その中で彼女が向かおうとしている方向や悩んでいることについて少しだけ話ができました。もちろん監督も含めてなんですけれど、そういう時間を持てて、距離感を縮めるとか、親子関係をどうのとかではなく、ここにいるのが当たり前という関係性を築けたのがすごく良かったかなと思います。
宮﨑さん
ずっと現場でお父ちゃん、お父ちゃんって呼んでいて、一緒にいるのをすごく自然に感じていました。2週間しかいなかったのが信じられないくらい濃い時間を共有させてもらった気がしています。
渡辺さん
本当に僕、あおいちゃんには幸せになってもらいたいと思っているからね(笑)。
宮﨑さん
謙さんは現場にいて周りの人に本当に愛されていました。やっぱり、周りのスタッフだったり、役者がこの人についていきたいって思わせる何かをすごく感じました。それを間近で感じられたというのが、私にとって宝物だなってすごく思います。

<質疑応答>

Q
皆さんの怒りの対処法について教えてください。
渡辺さん
だいぶ大人になったので、100℃まで沸点を上げないように一度、85℃ぐらいで切るように訓練されています。ちょっと時間をおいたり、忘れっぽいの性格でもあるんで大丈夫です(笑)。
妻夫木さん
お酒の力を借りています。僕はまだ子どもなので撮影中も剛と毎晩バーで飲んでいました。頭を冷やして...、怒ってはいないですけれど(笑)。
綾野さん
そうですね。笑うかな。なんか笑います。外的なことでも内省的なことでもゲラゲラ笑っていますね。それって危ないかな(笑)。
森山さん
お酒というのもあるんですけれど、怒りにせよ、何にせよ、感情が動く時って、対人関係とか何かが引っかかる時だと思います。そういうものって何かが反射してくるものなんで、できるだけそれをコントロールして自分のパフォーマンスとかに使えるかなと考えたりします。でも、だいたいはお酒ですね(笑)。
広瀬さん
たぶん、静かに耐えます(会場笑)。
松山さん
僕は流しますね(会場笑)。
MC
宮﨑さんはどうでしょうか?
渡辺さん
もっと流すよな?
宮﨑さん
そうですね、その通りだと思います。あんまり怒らないですね。でも、ちょっと経ってから「今、私、腹が立っている」という気持ちになって、悶々として忘れていくという感じです。
Q
ご自身が出演しなかったシーンで印象に残ったのはどこでしたか?
松山さん
刑事の上司と部下がいて、部下が弁当を食べているんですよね。その隣に上司が靴下を置いていくんですよ。1日仕事終わって聞き込み調査とかをして、汗ばんだ靴下を置いていくんです。その部下の人は、弁当を美味しそうに食べていたんですけれど、だんだん食べられなくなってくるんですよ。それを観ていてすごくムカムカしましたし、すごく印象に残りました(笑)。僕はその役者さんにMVPをあげたいんです。もしかしたら、自分もやっているかもしれないんで、これはやらない方がいいなと考えさせられました(笑)。
綾野さん
そうですね。素直に言いますと、この作品を観た時に自分が一番できていないんじゃないかと思ってしまうほど、圧倒的だったんです。オールスターって言われ方をしているんですけれど、皆さんが力を出しきって、まだそこで絞りだすようなそのお芝居というか、その人物が生きている姿を観てあまりに圧倒的な映画だったと思うんです。
僕たち以外のところを観ても、やっぱりすごかったです。単純なことなんですけれど、いろんな人たちの生き様を観た時に、ものすごく海がきれいに見えたり...、実景的なもの、情景的なものとか、その世界に我々は産み落とされてそこで生きているんだって感じました。天空海闊的なものすごく感じました。すごく震えたのを覚えています。
森山さん
とにかく一人一人のこの瞬間というのが強烈なので、どれかに絞るのが難しいです。
妻夫木さんのパーティの言い方が「すごく絶妙だった」って僕の周りのそういう界隈の人たちから絶賛の嵐でした(笑)。
妻夫木さん
今回、役作りでこんなにお金を遣ったことがないぐらい、お金を遣いました(笑)。歌舞伎町に通ったりとか、友達とパーティをしてみたりとか、いろんなことをやりました。なかでも剛とは一緒に住んでみたりもしたし、いろんな思い出が残っています。この作品を観て率直に受けた印象は、本当に役者の皆さんの芝居が素晴らしいんですよ。それは李監督の演出ということもあると思うんですけれど、一人一人の覚悟だったり、想いだったり、エネルギーみたいなものがぶつかってできた作品だからだと思うんですよね。その熱が本当に素晴らしかったです。「怒り」自体の答えって何なのかということを、本当にお客さんに投げかけることができたと思います。原作の力っていうのがそのまま膨大に大きくなったものができたと思います。僕自身、東京で優馬として生きて過ごしたその日々っていうのは、僕の中では現実みたいなものです。剛の表情というのが脳裏に焼きついています。脳裏に焼きついたものがそのままそっくり、映画の中で観られたっていうのはすごく圧倒的でした。だから、剛の顔です。
広瀬さん
この映画を観て、人を思ったりとか、信じたりとか、その中で得るものもあれば、失うものもあって...、それですごく心が忙しくなるという想いがあったんです。映画の中で皆さんがそういう想いになっている時の目が生きていたり、死んでいるような目をして生きていたり、皆さんの目の印象が全体的にすごかったです。何を思っているんだろう、何を考えているんだろうって思う時もあれば、愛情を感じる時もあったのでそういうところがすごく印象的なシーンだなと思います。
宮﨑さん
そうですね。私も映画を観た時に、それぞれのすべての登場人物の感情が露わになっていて、直接自分の心に響いて、一緒に苦しくなったり、悲しくなったりしました。同じ女性として私はすずちゃんのシーンが、心をしめつけられて忘れられないというシーンの一つです。
渡辺さん
やっぱり不思議な作品で、1本の作品のはずなのに、それぞれが抱えているものとか、それぞれが経験したものが深すぎて、ある意味で距離を感じたんです。でも、そういう作品だと思うんですよね。それで作品観た時には驚くんですけれど、スクリーンにあることと自分たちが経験したことが同期しちゃうんで、どうしても僕は娘のことが気になってしまうというか...。娘が今、何をどう感じているのかということで、スクリーンの外のことと同期しちゃうんです。それはやっぱり、愛子に何かシンパシーしてしまうってことはありました。ただ、沖縄の若い二人っていうのは、ある意味、すがすがしさもありましたし、誰もが持っていた青春の1ページと言うと、そんなきれいなものじゃないですけれど、そういうところはすごく感じました。